井上本店の創業は江戸時代末期。「イゲタ醤油」としても知られ、国内産の大豆と小麦にこだわった醤油づくりをしています。

吉川 修 社長。この写真からも人柄の良さは存分に伝わってくると思います。

大正時代に建てられたレンガ造り建物は蔵として使われています。レンガ造り特徴は温まりにくく冷めにくい。夏でも中はひんやり。

大豆を蒸すNK缶。今までよりも大きなサイズのものを導入して缶内混合が出来るようにしたそうです。大豆を蒸した後に小麦と麹菌とを混ぜるのですが、密閉状態の缶内で混合するため、雑菌汚染を抑止することが出来るというわけです。

小麦を炒る機械。この燃料にヒミツが!

醤油の油を燃料に再利用しています。これもとっても珍しいこと。

麹を造る室(むろ)。綺麗に管理されています。

諸味が熟成の時を過ごしています。

ストレートのつゆも製造できます。これはなかなか出来ないことなんです。

そのために製造装置はバラバラに分解して洗浄できる構造になっています。

この布に包まれて醤油は搾られます。搾った後は綺麗に洗われて次の出番に備えます。

手造り装置の館

 井上本店の醤油造りの工程を見学させていただくと、「あれっ?!ちょっと違う。」という印象を所々で感じることが出来ます。

 例えば、小麦を炒る装置。
 燃料に使っているのは醤油を搾った時に出る油です。丸大豆を原料にした醤油諸味を搾ると、生醤油とともに「油」が出てくるのですが、お世辞にも美味しいとはいえないこの「油」は、どの醤油蔵でも頭を悩ませている存在なのです。

 しっかり分離させてないとせっかくの醤油の味を台無しにしてしまう上に、他の用途に転用しにくい・・・ところが、その油を井上本店では小麦を炒る装置の燃料に使っているというのです!

 「あの油って燃料に使えるものなのですか?」とお伺いすると、「そりゃあ、そのままでは塩分を含んでいるので使えないですよね・・・」と吉川社長。

 実は、井上本店では醤油の搾り油を燃料油に変える方法を開発して、実際に装置まで作ってしまっているというのです。

 「油に水を混ぜるんですね。そのときに塩分が水に溶け出すので、これを繰り返して最後に加熱をして水分を飛ばすんです。最初はなかなか安定しなくて・・・」 ここは普通の醤油屋さんではないな・・・と最初に感じた瞬間でした!

 そういわれてみれば、その後の工程にも手作り風の装置やスイッチがいたるところに配置されています。

 搾りの工程でもこんなものを発見。
 一般的に醤油は圧をかけて搾った後に、タンクだったり床に穴を開けたようなスペースに貯められるのですが、井上本店ではその容器が間仕切りされているのです。

 醤油が迷路の中を進んでいるように見えるのですが・・・お話を伺うと、醤油が酸素に触れないようにする工夫なのだそうです。先述の通り、醤油を搾ると生醤油と油が出てきます。油は生醤油の表面に浮きますので、狭くて深さのある空間に入れてあげると油が醤油と空気との間の膜になるわけです。

 そして、それだけではありません。2本の長さの違う鉄の棒が蓋の部分から下がっていて、蓋からはコードが接続されています。これは液面の高さを自動感知してポンプが作動するという仕掛けなのだそうです。もちろんこれも井上本店オリジナル。

 「先代がこのように改良するのが好きで、しょっちゅうあれこれ作っていたんです。ただ、故障してしまうと大変なんですよね!今となっては修理は我々が行いますから!」と、楽しそうに語る吉川社長。

守る部分と変える部分

 このような工夫づくしのオリジナルな設備で醤油造りをしている井上本店。今でこそ国産原料を使って醤油を仕込んでいますが、戦後の日本では諸味を持てない蔵が多く存在しました。そして、井上本店もその一つで、先代は大きな借金からのスタートだったそうです。

 醤油は原料を購入してから商品になるまでに1年とか2年とか長い時間が必要になります。当然、大きな先行投資が必要になるわけで、自分のこだわりの醤油造りをするために、お酒やジュースの販売などありとあらゆることをされてきたそうです。

 その中で大切にされてきたのが「絶対に守るべき部分と、変えていくべき部分」という考え方。先代の井上平祐さんが残された下記の文章をご覧いただければ、何を大切にされていたか感じていただけると思います。

醤油は単なる旨味調味料ではない・・・(中略)・・・元来、醸造は微生物が自らの生命をまっとうするために作り出す貴重な生命物質を利用させて頂くという先祖の遺産です。
(京阪ジャーナル社発行 月間AGORA より)

 また、井上平祐さんは関西の醤油の蔵人の中ではちょっとした有名人なのです。研究熱心で知識も豊富だったことに加えて面倒見の良い方だったそうで、他の蔵人にも進んで醤油造りを教えていたそうです。だから、井上さんに教えを受けた蔵人はけっこう多いのです。

 その思いを引き継いだ吉川社長が強調される「守る部分と変える部分」は、自分たちが食べて美味しいと感じるものを造ること。そして、国産の原料を使うこと。この考えを基に井上本店では日々改良が重ねられています。

「ストレートつゆ」つくれます。

 「自分たちが美味しいと感じるものをつくる!」
 このこだわりが井上本店の「つゆ」にも表れています。実は、井上本店の「つゆ」はストレートつゆなのです。一瞬、何がすごいの?と思われたかもしれませんが、実はこれってすごいことなのです。

 多くの蔵の「つゆ」は水で何倍かに薄めるタイプだと思います。醤油は塩分が高いため菌による汚染は少ないのですが、塩分濃度の低いつゆの場合は違います。ストレートつゆをつくるためには瓶詰め時に雑菌が混入しないように細心の注意と相応の設備が必要になります。

 大手企業であれば可能な設備も中小企業では難しいこともあります。 ところが、井上本店ではその充填設備が整っているのです。これも吉川さんの「自分たちが美味しいと感じるものをつくる!」という考えからのものです。また、井上本店には分析室もあって、一般的には外部の研究施設に依頼する解析も自前で行えるほどなのです。

 
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イゲタ黒豆醤油 濃口100ml

じっくり二年の歳月をかけた濃口醤油。国内産の大豆と小麦を使用してレンガ造りの蔵の中で熟成。しかも、原料は黒大豆を使っている珍しい銘柄です。

黒大豆といえばお正月に食べる黒豆ですが、醤油に使われることは稀です。調達コストが高いからなのですが、うま味が強く造り手が楽しくなる大豆なのだそうです。

  • 種類 : 濃口醤油この種類の解説
  • 原料
    小麦(国内産100%)、大豆(国内産100%)、食塩
  • 容量 : 100ml
  • 価格 : ¥350 (税込み)
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イゲタ濃厚醤油100ml

奈良県の老舗がお届けする二年醸造の醤油を再度仕込むことで濃厚でありながら切れ味の良い風味に仕上げた醤油。原料は国内産の大豆を小麦を使用。

原料表示の品名欄には「こいくちしょうゆ」と記されています。「人と違った醤油をつくりたい!」の末に出来上がった製品だからこそのこだわりだったりするのです。

  • 種類 : 再仕込み醤油この種類の解説
  • 原料
    小麦(国内産100%)、大豆(国内産100%)、食塩
  • 容量 : 100ml
  • 価格 : ¥400 (税込み)

醸造元への直接のお問い合わせ

以下のサイトが蔵元が運営するサイトです。
100ml醤油をきっかけに「この味好きだな!」と感じていただけましたら、是非、直接蔵元にお問い合わせ下さい。大きなサイズや、その他の醤油がラインナップされています。

井上本店

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