醤油の種類 - [2]製法による分類

 

* 「混合醸造方式」:本醸造方式でできた「諸味」にアミノ酸液等を加えます。
* 「混合方式」:本醸造方式でできた「生しょうゆ」に、アミノ酸液等を加えます。

本醸造醤油が約80%

 流通量でみると本醸造タイプの醤油が約80%ですので、普段目にするほとんどの醤油が本醸造醤油ということになります。下図の通り本醸造醤油の作り方を基準にすると、搾った生揚醤油に「アミノ酸液」を加えるのが混合。さらにその前の工程である諸味の段階で「アミノ酸液」を加えて熟成させるのが混合醸造となります。

基本は3つ

 醤油の製造方法によって「本醸造」「混合」「混合醸造」三つに分類することができます。簡単に説明すると「アミノ酸液」を加えるかどうか、または、どの工程で加えるかによる違いがあります。前のページでJASの規格で濃口・淡口など5つに分類できると記しましたが、濃口醤油(本醸造)や濃口醤油(混合)などが存在するというわけです。

アミノ酸液とは?

 アミノ酸液は一言でいうと「うま味成分が凝縮された液体」となります。専門的にいうと「大豆や小麦グルテンなどのたんぱく質原料を酸分解し、炭酸ナトリウムなどで中和したもの」となります。ただ、実際に口に入れてみると、それだけ単体で「抜群に美味しい!」とは感じません。上記のように諸味や生醤油とブレンドすることによって、さらには混合タイプの醤油は甘みがあるケースが多いのですが、甘味料を加えることで美味しい醤油になるわけです。

 アミノ酸液については様々な意見があることも事実だと思います。九州・四国・中国地域、北陸や東北などの地域ではアミノ酸液を使った醤油が一般的で、地元にスーパーに行くとこのタイプの醤油が主役になっています。「九州の醤油は甘い!」と聞かれたことのある方や、北陸に旅行された方が「醤油の味が違った!」と言われるのは、それが地場の醤油だからです。

 「アミノ酸液を使っているということは、添加物が入っている醤油でしょ?!」といわれる方がいる一方で、アミノ酸液を絶妙のバランスで配合した醤油が「ものすごく美味しい!」と絶賛される方もいます。造り手の立場からも意見は分かれていると感じています。「あくまで醤油といえば本醸造だ!」といわれる方や、「地元の方に圧倒的に支持されるのはアミノ酸液を使った醤油だ!」とされる方、「そうは言っても、たくさんの銘柄を比べてみると、少量のアミノ酸液が入っているものがあるとやっぱり美味しいよ!」とされる方まで様々。

 一概に、製法によって醤油の良し悪しの判別できないと思います。

 JAS法の定義によれば、アミノ酸液の使用量は窒素換算で80%以下とされています。逆をいえば、アミノ酸液 80+本醸造醤油 20でも醤油と定義されます。同じ混合タイプの醤油でも中身は全然違うということになります。アミノ酸液がはいっている醤油=ダメな醤油とは絶対に言いたくありません。

 一番大切にしたいのは、生産者がどのような考えで醤油造りをしているか?アミノ酸液を使うなら何故使っているのか?その部分を知ることなしに、原料表示のみで良い悪いを判別したくはありません。

(参考)アミノ酸とは違うもの?

 醤油の原料表示部分に「アミノ酸液」の他に「アミノ酸」と記載されている場合もあります。名称は似ているのですが両者は違うものです。

 「アミノ酸液」は脱脂加工大豆など植物性のタンパク質を酸分解したものです。グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、アラニンなどのうま味成分の元であるアミノ酸を多く含んでいる液体調味料です。一方、調味料としての「アミノ酸」はグルタミン酸ナトリウムであり、微生物の働きによって糖蜜やでんぷんから作られます。原料として「アミノ酸液」が使われ、添加物として「アミノ酸」が使われていると見ることもできます。

*アミノ酸液:大豆や小麦グルテンなどのたんぱく質原料を酸分解し、炭酸ナトリウムなどで中和したものです。 *酵素分解調味液:大豆などの植物性たんぱく質をたんぱく質酵素により分解したものです *発酵分解調味液:小麦グルテンを発酵させ、分解したものです。

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