
瀬戸内海に浮かぶ大崎上島に岡本醤油醸造場はあります。道路の反対側は瀬戸内海が広がります!

醤油が大好きで、醤油のことを話し始めたら止まらない岡本義弘さん、女将さん、康史さん、哲也さん。この家族は本当に温かいです。一度ここを訪れた方は、次に行くときには思わず「ただいま!」って言ってしまうはずです!

大崎上島に行く交通手段はフェリー。造船とみかん栽培が盛んな島。春にはみかんの花の香りが島全体に漂い、秋にはオレンジ色の実が山を埋め尽くすそうです。

昔ながらの木桶が並びます。桶に刺さっている棒が「櫂棒(かいぼう)」といって、桶の中の諸味(もろみ)をかき混ぜる時に使います。この作業、とっても大変なんです。

この写真、原料処理場と蔵をつなぐ渡り廊下から撮っています。正面には瀬戸内海、背面には山。そのため、とっても気持ちのいい自然の風が通り抜けます。

原料処理場。建物も道具たちも歴史を刻んでいるのですが、掃除と手入れと整理整頓が行き届いていて、驚くほど綺麗!岡本さんのものづくりに対する姿勢と考えが伝わってきます!

大豆を蒸す通称NK缶とよばれるもの。大豆を均等に蒸すために工夫が施されています。島の技術者の方に改造してもらったのとのこと。造船の島ならではの加工技術がこんなところにも生きています。

麹をつくる室(むろ)。自然の風を送ることによって温度と湿度調整を行います。この中も綺麗!

蔵の前の瀬戸内海。透き通った海水に魚の群れを間近に見ることができます。

海沿いの道の夕方。ご近所さんが仕事帰りだったり、ジョギングをしていたりと行き交います。「こんばんわ。」「お帰りなさい。」お互いに声を掛け合っているのが日常風景。
広島県の竹原からフェリーで30分。大崎上島町は造船とみかん栽培で盛んな島。この瀬戸内海に浮かぶ人口約9,000人の島に、とっても素敵な醤油蔵があります。
厳選した国内産大豆と普通小麦、天日塩のみを原料に、昔ながらの杉の大桶で造られた醤油は、もちろん天然醸造。30本ある桶の中の醤油たちは、毎日、岡本さんたちに見守られながら熟成の時を過ごしています。
上写真の中央部分に渡り廊下があります。左の建物が原料処理場で、右が桶が並ぶ蔵。それらの2階部分をつなぐ木製の渡り廊下です。
一般的に、醤油づくりは水を使えば、カビの一種である麹菌も使います。しかも、長い時間をかけて熟成させますので、蔵自体も湿気がたまりやすく、カビが発生してイヤな匂いがすることもあります・・・
ただ、岡本さんの蔵は違うんです。醤油の良い香りが広がっています!どうしてだろう?!と考えてみると、それは掃除と整理整頓が行き届いていることと、自然の風が通り抜ける道が出来ているからなのかなと・・・
渡り廊下の奥は山々が広がり、手前には瀬戸内海の海が広がっています。山の木々が光合成をして酸素をいっぱいに含んだ風と、海のミネラルをたっぷり含んだ風が常に通り抜けているのです。
これらの風が蔵の中の隅々まで循環しています。常に自然な空気が余分な湿気を運んでいってくれ、新鮮な状態を保っています。
2008年の原油高の時期に原料も資材も値上がりをし、多くの醤油メーカーは価格を一斉に上げました。ただ、岡本さんは値上げをしなかったそうです。
「商売っ気がないっていわれればその通りかもしれないですけどね・・・ただ、醤油を大切に使っていただきたいんですよ!」そして、「できるだけ手間と時間をかけて料理をしていただきたいですね・・・」と岡本さん。
最近は加工品の「つゆ」を使われる方も多くなっていると思います。ただ、例えば、お客様をもてなすときに、「夏の暑い時期は塩分を少し多めに、寒い時期は少し甘みを強くして・・・とその季節、お客様に応じた対応をすることって、最高のもてなしだと思うんです。」
こういった考え方が、岡本さんの醤油づくりのベースになっているので、お話の中にも「自然」や「美味しい醤油」というキーワードがたくさん出てきます。「畑から出来た大豆と小麦に、海のエキスが凝縮されている塩。これらが原料となって日本の四季の中で麹菌をはじめとした微生物の力で発酵・熟成させたのが醤油なんです。」
昔ながらの醤油づくりをしている蔵では大量生産できないと言われますが、それは当然なのです。
蔵を取り巻く自然環境や、蔵に住み着く微生物たちの性格にもよるのですが、醤油の元になる諸味を熟成させる時、人が手をかけずにいると「産膜酵母」と呼ばれる白カビが発生してしまいます。当然、醤油にとって悪い影響を与える存在なのですが・・・
その白カビを防ぐ手立てとして攪拌(かくはん)があります。桶の中の諸味(もろみ)をかき混ぜるのですが、この作業がとっても大変。20石の桶だと容量は約3,600リットル。3トン以上の重さを、攪棒(かいぼう *上写真の棒)を使って手作業でかき混ぜるのです。どれほど大変かは容易に想像いただけると思いますが、この作業を3日毎に行うわけです。それも30本の桶全て!
国産大豆・小麦と天日塩を杉の木桶で仕込んだ濃口醤油。瀬戸内海の温暖な環境を生かしながら二年間じっくりと熟成。
醤油が大好きで、醤油のことを話し始めたら止まらない岡本義弘さん、女将さん、康史さん、哲也さん。この家族は本当に温かいです。一度ここを訪れた方は、次に行くときには思わず「ただいま!」って言ってしまうはずです!
一度できた濃口醤油を仕込み直した再仕込み醤油。濃厚さと凝縮されたうま味が特徴で、マグロなどの赤身の刺身やソース代わりに目玉焼きやアジフライなどにもお薦め。
熟成期間の長い再仕込みは、造り手の性格や想いがより濃く味に表れるように感じています。濃厚ながらに優しい味。再仕込み醤油の入門編として自信をもってお薦めします。
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