醤油の知識

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醤油の産地と水運の関係

九重味淋(愛知県)

2本のわだちのような跡

蔵元の敷地内に2本のわだちのような跡があることがあります。なんですか?と質問すると、「この先に川があったんです。そこまで荷物を運ぶための線路の跡なんですよ」という回答が多く、たいていは「だった」という表現なのがおもしろいところです。今では埋め立てられて陸地になっているのですが、その昔には川や海に面した船着き場になっていて、荷下ろしをしていたというのです。

醤油の産地は水運に適した土地

自動車のない時代、ものを運ぶことが重労働ですし大変なことです。特に醤油の場合は原材料である大豆、小麦、塩が大量に必要で、商品となった醤油も液体なので輸送が大変です。輸送によく使われていた四斗樽は約72リットル。これに詰めて人が背負って山を越えるというのは現実的ではないわけです。そのため、船に載せて輸送する水運がポイントに。

醤油の産地と水運との関係は切っても切れない関係になります。大豆や小麦の産地、塩のとれる塩田が近場にあること。そして、醤油が消費される土地。それらを水運を使って行き来できる土地というのが産地として発展してきているのだと思います。