醤油の知識

003|木桶の修理(1)

5月の中旬、木桶の修理をするために藤井製桶所の上芝さんが大阪からいらっしゃいました。うちに残っていた5本の20石桶を修理して、仕込みを再開する時に使うためです。

この桶は工場の本体から少し離れた建物にあります。以前は、本体の工場にも桶の並ぶ蔵があり昔はそこで醤油を仕込み、仕込みを止めた後も生揚げ(生醤油)の貯蔵タンクとして使っていました。

しかし、私が小学生の時に桶は解体され、その蔵はいまでは倉庫になっています。今回、修理する桶が残っていた蔵は、仕込みを行っていた時に増築したものです。 しかし、その直後に協業工場ができて仕込みを止めたことにより、結局使うことなく40年以上そのまんまの状態でした。


この桶を修理するには、まずやるべきことがありました。 それは桶を動かすために足場や壁を壊すこと。 時間的にゆとりがあったので仕事終わりにコツコツと解体しました。












骨組みの解体は、一人ではつらかったので大工さんに手伝って頂きました。
ようやく、解体が終了!

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元