醤油の知識
食への興味はいつから?

食への興味はいつから?
職人醤油のまたのみほです。
私の食への興味はいつから生まれたのか——そう振り返ると、今の自分が信じられないほど、子供のころの私は食べることにあまり関心がありませんでした。
嫌いだったわけではないものの、食が細く、食べるスピードも遅い。小学校の給食では、みんなが「いただきます」と言う前から食べ始めていい特別ルールを与えられていたほどです。特に白いご飯が苦手で、主食なのに困った記憶もあります。
それでも振り返れば、家の食卓は恵まれていたなと思います。
3世代6人家族で育った私。レトルト食品はほとんど食べる機会がなく、当たり前のように自家製のぬか漬けや梅干しが食卓に並んでいました。ちなみに、イナゴを採りに行って佃煮を作ったり、ヨモギを採ってきて草餅を作るなんてことも我が家の恒例行事でした。そして年末には祖父が家で蕎麦を打つ。今思えば、なんてぜいたくでありがたい環境だったんだ!!と感じます。
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そんな私にとって、大きな転機となったのは東京での一人暮らし(実際には兄との二人暮らし)です。
毎日自分でご飯を用意しなければならなくなり、料理や食材に少しずつ興味を持つようになりました。おいしいごはん屋さんがたくさんあったのもいい影響でした。食べ物のことを考えたり、自分なりに工夫したりするうちに、「食べること」が生活の中で大きな楽しみになっていったのです。
そして今では、醤油に囲まれて仕事をしている日々。昔は考えられなかった「食」に対する情熱が、今は私の生活の中心になっています。自分自身の変化を面白く感じつつ、これからも食の世界を楽しんでいきたいと思っています。

醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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