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木桶が繋いだ出会い、4年越しの初対面へ。伊勢丹新宿店 イタリア展2019特別企画「MEET UP ! BALADIN」

イタリアのクラフトビールのパイオニア、「Baladin (バラデン)」。このブルワリーにはひとつ、木桶が置かれてある。香川県小豆島にある「ヤマロク醤油」5代目 山本康夫さんが、2015年のミラノ万博へ片道切符で送り込んだものだ。その木桶をBaladinオーナーのテオ・ムッソさんが受け取り、昨年、その木桶を使い熟成させたビール「シャオユ キオケ」をリリースしている。

そして先月9月30日まで開催されていた、伊勢丹新宿店で毎年人気を博す「イタリア展」では、Baladinがフィーチャーされた。これを機に来日したテオさんは、木桶を作った山本さんにぜひ会いたいと、メディア向けの特別イベントが実現。木桶がテオさんの元へ送られてから、4年越しの初対面となった。

当日は初めて会った2人のトークが展開された。木桶の話題になると、話に花が咲き、それぞれの専門用語が飛び交い来場者が困惑するまでに。テオさんのバックグラウンドやクラフトビールへの思いを、ビールを試飲しながら聞くと、木桶を使ったビールを作るまでに至る、テオさんの飽くなき探究心が伝わる。

会場から「初めて会った今日、お互い印象は?」と聞かれると、2人はどちらともなく、お互いについて「同じ匂いがする」と。それは2人の話を少し聞くだけで、自然とわかることだった。

ワインが主流の国で、テオさんはクラフトビールを0から開拓する。木桶技術の伝統を残すために、山本さんは醤油蔵業と並行し木桶の魅力をひろめていく。少しの変化を起こすためには、きっと想像以上に、膨大な時間と、労力が必要なのかもしれない。しかし2人はそれを上回る形で、もっと前のめりに、純粋な楽しさ・面白さを追求している。それぞれの生業に、誇りを持ち、愛しているのだろう。

新しい出会いと新しい試み、それが運ぶ変化を純粋に受け入れ、誰よりも楽しむ。そんな人が近くにいることで、私たちは何か面白いことが起こるかもしれないというワクワクを感じ、惹きこまれていく。木桶の魅力は、木桶そのものだけではなく、その伝統を支える人々でもあるのかもしれない。

 

Baladinの一部の商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階食品フロアにて11月1日より取り扱い開始予定。

写真・文:塚崎りさ子