木桶職人復活プロジェクト

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木桶サミットin小豆島 2023年

木桶による発酵文化サミット in 小豆島 2023

毎年1月の恒例行事になっている小豆島での木桶づくり。木桶サミットが2023年1月26日(木)~28日(土)にかけて開催されました。木桶仕込みをしている醤油、味噌、日本酒などのメーカー、飲食店や流通関係者、料理研究家やメディア関係者などが全国から集まりました。

企業の枠を超えたチームで竹箍を編みます。

横に連携して木桶職人を増やす

醤油業界の場合、木桶醤油の流通量は全体の1%程度。そのわずかな部分を小規模メーカーが奪いあうのではなく、連携して1%を2%にしようという取り組みが「木桶職人復活プロジェクト」です。今年で11年目。参加者も木桶職人も増えてきています。

鹿児島県の薩摩酒造の樽職人(クーパー)は小さな桶づくりを担当。
参加者が一体となって大桶づくり。被り物をしているメンバーもちらほら。
ハンマーで叩いて竹箍を入れる。

みんなで作業をする

「こんな大声を出したのは久しぶり」と、そんな声が聞こえてきました。何度も参加している人も、今年が初めての人も一緒になって作業をします。「せーの!」という掛け声にあわせてハンマーを振り落とす。皆の息が合って、「ドン!」と音が重なると竹箍がきれいに落ちます。

1月の野外での作業。とても寒いのですが、それを吹き飛ばすように活気に満ちています。掛け声あり、笑い声あり、太鼓あり。

竹箍の中に入れる芯をつくる作業。太鼓を叩きながらリズムにあわせて。
ひたすら荒縄を巻いていく作業。けど、雰囲気はお祭り騒ぎです。
元気がないとイエローカード!
笑いの絶えないこの作業。通称「巻き巻き」と呼ばれています。
竹釘も大量に必要です。
会場であるヤマロク醤油は、小豆島の中でも特に寒いのです…。
木桶づくりの合間にトークイベントを開催。舞台はもちろん桶の上。

木桶をテーマにしたトークセッション

木桶サミットに集まる個性豊かな参加者たち。今回は7つのトークセッションを開催しました。「木桶と職人」「木桶とお酒」「木桶と若手」「木桶とクリエイター」「木桶と流通」「子供たちに誇れる未来へ」などのテーマを設定して、登壇者は木桶の上の特設ステージにあがります。

自分の専門領域の話を共有する内容。木桶を共通テーマにすると決まって前向きな話になり、参加者はうんうん頷きながら聞き入っています。

一斗樽を椅子代わりに。
若手の蔵人トーク。この時だけ、あいにくの雨でした。
デザイナーも登壇。テーマは「木桶とクリエイター」。
「巨大おけを絶やすな!(竹内早希子/岩波ジュニア新書)」の出版記念トーク。
お待ちかねのお昼。満面の笑顔になる弓削多醤油の弓削多さん。
日替わりで特製ラーメンを振舞っていただきました。1日目は「饗 くろ喜」の黒木さん。
2日目は「せたが屋」の前島さん。
3日目は「麺や七彩」の阪田さん。
みんなの毎年の楽しみ。毎度のことながら創意工夫に唸ってしまいます。
今年は、滋賀県西浅井町から「RICE IS COMEDY」のみなさんがゲリラ炊飯にきてくれました。
炊きたての羽釜ごはん。
「ぱっか~ん」の掛け声とともに、湯気が立ち上ります。
各醤油メーカーの木桶醤油も並びます。
蔵人が直々に醤油を解説。
卵かけごはんやお刺身や焼肉と醤油を組み合わせて。
カナダから来てくれたジュリアン。国際色豊かになってきました。
あっという間に、真っ暗に。
最終日の夕方。火を囲みながら車座になります。
それぞれ、木桶についての挑戦や想いを語ります。
サプライズで拍手が沸き起こる出来事もありました。

やったるでー!おっけー!

「やったる(樽)でー!おっけ(桶)ー!」は、樽と桶にかけた木桶サミット定番の掛け声。今回もこれで締めくくりました。

「ここに来て、何かを感じて自分のフィールドに帰っていく。そして、また来年戻ってきたいです」と、話している人がいました。木桶でつながり、自分にできる何かをして、来年再び小豆島で再会をする。こんな流れが11年続いています。

2024年も開催予定です。

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