職人醤油の蔵元
福寿醤油

醤油も地域も魅力を増していけるように
徳島県鳴門市。大鳴門橋から四国に入って車で15分ほど。四国遍路(八十八ヶ所)の一番札所 霊山寺(りょうぜんじ)のほど近くに福寿醤油はあります。木桶も有し、地元向けの昔ながらの甘いタイプの醤油と、大豆・小麦・食塩のみのシンプルな醤油も手掛ける蔵元です。







子育てをしている自分を想像した時に
「小学校の時から、いつかは戻ると思っていました」と松浦さん。大学卒業後、不動産等の営業として大阪・東京で8年を過ごし、2012年4月に蔵に戻りました。
「30歳で結婚した時がひとつの転機でした。自分たちが子育てをしている姿を想像した時、思い浮かぶのは東京ではなかったんです。だって、そうですよ。自分が子供の頃はあそこの山を走り回っていたんですから」。
そう言って指差す方向には緑に覆われた山々がありました。


お客様に感動していただく
「不動産の営業の時代、先輩から教えこまれたのは”感動”でした」。いかにお客様に「感動」を提供できるか。そのためにコミュニケーションを重ねて自分にできることを考えるというものだそうです。
「これが自分の土台になっています。ここに戻ってきてからも変わっていないと思います。うちの醤油の良さは、生まれた時から食べ続けている私が一番知っているので、それをお客様にお伝えして味わっていただき、そして感動していただく。これですよね!」


業務用途メインから個人客にシフト
息子が家業に戻ってくる時、親子のコミュニケーションや役割分担が難しいという話を耳にします。特に親父と息子は意見が合わずに喧嘩になるなんて話もよく聞きます。ただ、福寿醤油先代の判断はとても珍しい。 「好きなようにやれ」だったそうです。 しかも、帰ってきて早々にこのように言われたのです。
「先代は製造一筋でした。醤油づくりにひたすら取り組んできた。だから自分に期待されている部分もなんとなくわかっているつもりでした。最初の一年は現場に入って改めて醤油づくりを学びました。蔵見学もはじめて自社の醤油の魅力を伝えてきたつもりです。当時は業務用途がほとんどでしたが、最近は個人のお客様が増えてきています。そして、外国の方も日に日に目にする機会が増えてきた印象です」。

地元とともに
「ちょっと面白いことがおこっているんです。」と松浦さん。 「うちのすぐそこには造り酒屋さんがあって、大谷焼の作陶体験やレンコン掘りやしいたけ農家なども近くにあるんです。そして、みんな小学校・中学校時代の先輩後輩なんです!」 「皆が集まれば、あれしよう!これしよう!とワイワイ話し合っています。地域がまとまって地域としても魅力を増していけるようにしていきたいんです。多くの方に訪れていただけるような地域を目指していきたいです」。



徳島でつくる国産大豆の二年熟成
価格 : 450円+税
原材料 :大豆、小麦、食塩
