醤油の知識

046|培養酵母添加

さて、培養した酵母をついに諸味へ投入しました。(5月26日)



上澄んでいるのが培養液。これが全体に行きわたるように撹拌します。
ちなみに酵母添加は諸味のpHが5.2~5.1の時に添加するのが定法とされています。
「醤油の科学と技術」によると添加時期が5.3以上では乳酸発酵が抑えられ、5.0以下では乳酸発酵が過多になるようです。



今回、添加しようと思ったタイミングが遅かったので、一番気になったのは色々準備している間にpHが下がるのではないかということでした。なので良いタイミングで添加することは半ばあきらめていたのですが、意外に下がらず範囲内で添加できました。


<翌日>
ほとんど変化なし。


<5日後>
ちょっと端の方が浮いているのですが、わかりますか?


<13日後>
グッと固形物が押し上げられています。
数日撹拌してないので表面が少し乾燥気味。そしてうっすら白い産膜酵母が出ます。
ぱっと見、味噌みたいでしょ? 表面が固いと櫂がなかなか入って行かず、撹拌が大変なんです。


<28日後>
前日撹拌したので、表面はウエットな感じ。
桶肌を見ると、少しですが13日よりかさが増してるように思います。
いや、写真の角度かも。。


<28日後・表面>
酵母の出す二酸化炭素が下から上がってきて、表面はクレーター状になっています。


<もろみ断面図>
今、桶の中もこんな状態です。
観察していると一番下の層から小さな気泡(二酸化炭素)がポツポツ上に上昇していきます。これで固形物が押し上げられているわけです。

午前中に撹拌した諸味も、夕方にはまた固形物が浮き上がってきます。
旺盛に発酵してくれて嬉しいです。

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元