醤油の知識

047|諸味の経過7月

ずいぶん更新が空いてしまいましたが、諸味は順調に発酵しております。

<7月中旬の諸味>
撹拌の途中。 櫂を入れて数回混ぜると、下から「グツグツグツ」と勢いのある音と共に、諸味が二酸化炭素に乗かって吹き上がってきます。 



<撹拌後>
側板に諸味がついている部分が、撹拌前の諸味の嵩(かさ)。 酵母のアルコール発酵で産出する二酸化炭素が、固形物を押し上げていたのです。 固形物と液体が分離していた諸味は撹拌によって均一になり、酸素が供給されることで 酵母の増殖が促されます。



<産膜酵母>
4~5日撹拌をしないと、産膜酵母が現れます。 産膜酵母は好気的環境では良くない香りを出しますが、嫌気的環境ではそのような香気成分を産出しません。なので、産膜が出たら撹拌して中に混ぜ込みます。



次回は諸味の様子を動画でご紹介します! 

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元