醤油の知識
醤油はワインの使い分けと似ている

醤油の種類によって特徴があります
うま味を抑えて塩味の強い醤油は、素材そのものを楽しむことができます。逆に、うま味が強い醤油はソースのような使い方ができるはず。それぞれの食材には相性のよい醤油があるのですが、そこを意識している方は少ないように感じています。
醤油の特性を少し理解いただくと、今よりきっと日々の食卓の「おいしい」を楽しんでいただけるはずです。
ワインを想像すると整理しやすい
結婚式の披露宴やコース料理を食する時、最初は白ワインがでてくると思います。カルパッチョなどやさしい味わいの素材などからはじまり、後半になると赤ワインと牛肉のステーキなどに。
白ワインはさっぱり系の料理で、赤ワインは味の濃い料理に相性がよいわけです。

白醤油や淡口醤油は白ワイン。
醤油の種類の中で、さっぱり系の料理にあうのは白醤油や淡口醤油です。見た目の色が淡く、うま味は抑えている醤油で、塩分は高めです。そのため醤油を直接なめると、しょっぱさは強いのですが、夏場にスイカに塩をかけると甘みが引き立つように、素材そのものの味わいや風味を楽しむにはぴったりな醤油です。
白ワインと相性のよい料理には淡口醤油がおすすめです。刺身でいえば白身などの繊細な味わいのもの。塩やレモンやオリーブオイルをかけて食したい素材と言い換えることもできると思います。

濃口醤油は万能。何にでも相性よし。
醤油の種類で真ん中に位置する濃口醤油。これは万能です。白ワイン系、赤ワイン系のどちらにも対応できるもの。流通している醤油のほとんどがこれで、一般的にいわれる醤油はこのタイプのことを指します。

再仕込醤油や溜醤油は赤ワイン。
赤身の魚やステーキなど、味の強い素材やソースをかけて食したいものには再仕込醤油や溜醤油がおすすめ。熟成期間が長くうま味が強いため、しょっぱく感じにくい醤油です。ただ、見た目は濃いので、煮物などに使うとしっかりと色が付きます。
どっしりとした個性を持っているので、素材の生臭さなどのマイナス部分をしっかりと包み込みます。素材との一体感で新たな味わいを楽しむことができるという印象。
逆の表現をすると、素材にある程度の主張がないと、醤油が強くなりすぎてしまうかもしれません。そのくらいの力をもった醤油なので、そのまま舐めてもおいしいと感じていただけるはずです。

醤油の種類
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素材を活かすNo.1選手
白醤油
淡口よりさらに淡い琥珀色の醤油。料理好きな方に高い人気。お吸い物や茶碗蒸しなどに。
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美しき京料理に必須
淡口醤油
西日本でお馴染みの淡い色の醤油。素材の彩りや出汁を活かしたい料理に。塩やレモン代わりにかけても。
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甘みをつけた地醤油
甘口醤油
九州や北陸などでは一般的な存在。海沿いの地域ほど甘みが強かったり、それぞれの土地に根ざした醤油。
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幅広く使える万能醤油
濃口醤油
一般的な醤油で流通量の8割はこれ。新鮮なものは綺麗な赤褐色で、北海道から沖縄まで各地で生産。
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濃厚なうま味とコク
再仕込醤油
熟成期間の長い濃厚な醤油。味と香りのバランスがよく、刺身やステーキにまずお試しいただきたい。
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濃厚さとうま味はNo.1
溜醤油
大豆を多く、仕込水を少なくし、うま味を凝縮。ハマる方はとことん好きになっていただける醤油。
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醤油のつくり方
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1
原料処理
カチカチの材料をほくほくにしたり、溶かすことで、菌が材料を醸し、美味しさに変化しやすいようにします。
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2
麹づくり
醤油づくりで一番重要視されている工程です。種麹を原材料に混ぜて、麹菌を繁殖させることで酵素を生み出します。
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3
塩水
麹に塩水を加えて諸味をつくります。塩分濃度を高めることで雑菌から守り長い発酵熟成の時を迎えます。
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4
諸味
ゆっくりと乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸します。どろどろの味噌のような状態で、半年~三年の時を過ごします。
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5
圧搾・火入れ
諸味を布に入れて、圧力をかけて圧搾し、火入れとろ過をします。殺菌と香りを引き立てる火入れも技術が必要です。
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6
完成
ビン詰めされてラベルを貼ってようやく完成。長いものだと原料処理から二~三年かけて醤油になります。
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