醤油の知識

添加物いじめないで

添加物が入っている=悪い醤油ではない

原材料名の欄を見てみると大豆、小麦、塩以外の表記がある醤油があります。よく「添加物が入っている醤油は悪い醤油だ」という表現を目にすることがあるが、一概にはそう言い切れないと思います。

大前提として醤油に使う添加物は、食品衛生法によって使用が認められ国が安全性を確認したものに限られています。過去には原材料コストを極端に下げる目的や旨味成分を薄めてその補完のために添加物を使うケースもあったと聞きますが、生産技術が向上した現代では普通につくっても充分に旨味の高いものが安価につくれます。

消費者のニーズに対応するために

「ならばなおさら添加物は要らないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、消費者の健康志向が高まるにつれて減塩醤油などのニーズも増えてきています。塩分の少ない醤油には菌が繁殖しやすいため、品質の安定化などに取り組むために最低限の添加物を使用するケースや地域の消費者が好む味に調整するために使用するケースがあります。

アルコール(白カビを抑える)

白カビ(産膜酵母)は好塩性の酵母菌の一種でぬか床の表面を覆う白い膜状の物の仲間。体内に入っても無害だが、風味や香りを劣化させてしまいます。

自家醸造や量り売りの時代には日常茶飯事で発生したため、布でこして使っていたそうですが、現代では開栓前のビンの中で発生を防ぐ対策をしています。産膜酵母を抑えるには窒素分(旨味成分)、アルコール分、塩分を多く含む醤油にする必要があります。

甘味料(甘味を加える)

甘い醤油が好まれる地域では甘味料が使われます。甘さの度合いは地域によって様々。甘味によって塩気をまろやかにしたり、甘味を前面に押し出したり目的によって甘味料を使い分ける。異なる甘味料を混ぜることで、それぞれの地域の顧客が好む甘味に調整しています。

代表的なものは甘草やステビアなどを利用した天然甘味料、サッカリン、ソルビトールなどの人工甘味料があります。

アミノ酸液とアミノ酸(旨味を加える)

アミノ酸液は一言で言うと「旨味成分を凝縮した液体」です。脱脂加工大豆などのたんぱく質を塩酸で分解して炭酸ナトリウムで中和したもので、醤油の製法による分類である「混合」「混合醸造」タイプの醤油で使われます。窒素換算80%の量までの使用が認められていて、甘い醤油を好む地域で好まれる傾向があります。

アミノ酸は「調味料(アミノ酸等)」と表記されることが多く、グルタミン酸ナトリウム等、糖蜜などから菌の発酵作用によってつくられます。