醤油の知識

028|塩水調整

麹が育っている間に、翌日の仕込みに使う塩水を作りました。

使う塩は、「一の塩」という佐賀県の加唐島という島で作られている自然海塩。
この塩は純度が低く、塩化ナトリウムが86%。なので、換算して量を多く使用します。

しかし高い塩なのに、割増しで使わなければいけないとは、原価計算するのが嫌になります。



大学の同級生であり、同じ糸島にある白糸酒造の田中君が来て手伝ってくれました。



攪拌機で混ぜながら溶かします。
そして、ボーメ計で比重を見ながら微調整。


ずっと攪拌しても白濁しているので、「一の塩」に電話したら、カルシウムが多くて水では溶けにくいとのこと。

しかし、「醤油の科学と技術」(栃倉 辰六郎 編著出版社日本醸造協会)


の「水」の項には、カルシウムの多い水は醤油の淡色化に寄与する。とのこと。

まぁ、悪くはなさそう。
さて、どうなるか。

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元