醤油の知識

全国醤油品評会

全国の醤油メーカーが出品

全国醤油品評会は、しょうゆの品質向上と表示の適正化を図るために、しょうゆのJAS(日本農林規格)が整った昭和48年から毎年開催されています。全国の醤油メーカーが出品をし、審査を経て農林水産大臣賞、食料産業局長賞、優秀賞が決定されます。

会場は地下鉄の茅場町駅から徒歩数分の距離にある醤油会館

第46回 全国醤油品評会(平成30年)の様子を取材しました

2018年7月5日(木)、6日(金)の2日にわたって審査会が開催されました。会場となるのは醤油会館。338品が出品され、36人の審査員によって審査が行われました。

1次審査は「色と香り」

1日目に行われる一次審査は「色」と「香り」の審査です。机の上に醤油差しと利き味皿が置かれていて1番から通し番号が付けられています。審査員は醤油が注がれた利き味皿を手に取って色と香りを確認していきます。

会場の中では白いエプロンをつけた審査員が黙々と醤油の香りをチェックしています。醤油のよい香りで包まれている空間の中で審査員は一様に真剣な表情です。良い(1点)~悪い(5点)の5段階評価でチェックシートに記入をしていきます。

利き味皿は高さが2cmほどの浅い皿で、蛇の目が描かれています。色の濃淡を確認し、このまま鼻に近づけることで香りの確認をすることができます。
真剣な表情で一品一品審査をします
審査表

審査基準

審査員にはこのような審査表が配られチェックを入れていきます。欠点のないものを基準(1点)とし、評価が悪くなるにつれて点数が増えます。官能審査は人の感覚で判定をする審査なのですが以下の基準が示されています。


官能審査のポイントは「①冴えがある/②澄んでいる/③ほどよい色がある」とされ、食欲をそそる赤橙色の澄んだものが良いとされています。色の指摘用語として以下の解釈があります。

濃い:評価者の感覚で色が濃すぎると判断した場合

淡い:評価者の感覚で色が淡すぎると判断した場合

濁り:濁りが認められた場合

冴え:色調よく食欲をそそる色合いで好ましいもの

 

香り

官能審査のポイントは「①新鮮な香りがする/②調和が取れている/③食欲をそそる芳香がある」とされ、醤油独特のバランスの良い香りが良いとされています。香りの指摘用語として以下の解釈があります。

未熟臭:原料の匂いや麹の匂い

雑菌臭:納豆菌臭等、本来しょうゆにあるべきでない雑菌の匂い

焦げ臭:火入れの後の処理の関係で、火香が強すぎ焦げた感じの匂い

刺激臭:特定の香り成分の香気が強く出過ぎて、バランスを崩し、薬のような匂い

不潔臭:濡れ雑巾が腐ったような不潔な感じを与える匂い

芳醇:しょうゆ独特の食欲をそそる香りがある良好なもの

 


官能審査のポイントは「①調和が取れている(まろやか、すっきり、程よい後味、しまり)/②風味(ふくみ香)が良好」とされ、異味がなくバランスのとれたものが良いとされていますが、地域による特性があることを加味して評価します。

甘・塩・酸・苦・旨:左記の用語で強すぎる「強」・弱すぎる「弱」

後味:味がいつまでも残る

調和:バランスの取れた良好な味

 

その都度、チェックシートに記入をしています。

種類毎、製造方式毎に審査

濃口醤油や淡口醤油など種類毎に審査をしていくのですが、今年からより細かく製造方式(本醸造、混合、混合醸造)毎にも分けて並べられるようになりました。

北陸や九州などの甘みがついている醤油の多くがこの混合、混合醸造でつくられていて、別々に審査をすることで地域の多様性を評価していこうという流れになっているように感じます。

2次審査は色と香りに「味」の基準が加わります

1次審査を通過した醤油が2次審査の対象です。15%ほどに絞られます。審査基準は色、香りに加えて味の項目が加わります。そのため、会場にはプラスチックカップとスプーンが用意され、審査員は実際に醤油を口に含んで味の評価をします。

スプーンですくって口に含むか、プラスチックカップに注いでから口に含むかは審査員によって異なります。

最終審査

最終審査は2次審査の結果に基づき、それぞれの賞に相応しいか審査委員長を中心に審議して農林水産大臣賞、食料産業局長賞、優秀賞が決定されます。

発表は10月1日の醤油の日

発表は10月1日の醤油の日で、都内の会場で発表と表彰式が行われます。また、以下のしょうゆ情報センターのページから歴代の農林水産大臣賞の受賞者をご覧いただけます。