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職人醤油ヒストリー(4)そして、醤油にたどりつく

そして、醤油にたどりつく

10アイテムくらいに絞り込んだリストを片手に、友人と東京駅の八重洲北口にあるカフェで雑談をしていました。ふと友人が「この醤油って面白いのでは?!」と一言。そういえば、私の母がインターネットで初めて買ったものが醤油だったと思い出しました。学生時代にあった母からの電話は、「インターネットにクレジットカード番号を入力して大丈夫なの?」というものでした。パソコンを使っていることすらも驚きだった母が、買いたいと思っていた醤油に何かがある気がしました。

まずは30軒の醤油メーカーを訪問しようと決めました。一番近くの醤油メーカーを調べて電話をすると、その日の午後に来て良いとのことで、大急ぎで醤油の基礎知識を詰め込んで伺いました。そして、数珠つなぎのように関東近辺のメーカーをひたすら訪問していきました。ほどんどが飛び込み状態だったので、最初は怪訝な顔をする職人さんたちでしたが、私を見るなり、「おぉ。若いな!こんな儲からない業界に何しに来たんだ!辞めておいたほうがいい。」と言いつつも、みなさん優しくいろいろと教えてくれました。

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こんな調子で醤油蔵を訪問していくと、少しずつ醤油のことが分かり始めてきました。製造方法はもちろんですが、原料一つをとっても、丸のままの大豆や油を抜き取った脱脂加工大豆、中間製品である生揚醤油の段階から製造するメーカーなど様々です。最新の大型設備でつくっているメーカーがあれば、昔ながらの木桶で仕込んでいる蔵もあったりと、一言で醤油といっても、全く異なる醤油が存在していることを知りました。