大豆の自給率と使用内訳
大豆の自給率は4%です。これはサラダ油への加工用途の大豆を含みますので、食用に限れば22%となります。
平成17年を例にとると、約400万tの消費量の75%にあたる300万tがサラダ油などの加工用途に使用されました。続いて、豆腐、納豆、味噌と続き、醤油に使われる量は4万tとなります。実際の醤油づくりには、この4万tに加えて大豆油を搾ったあとの「脱脂加工大豆」が約20万t使用されます。また、醤油造りに使われる国産大豆はわずか「500t」にしか過ぎません。
大豆の生産量実績
| 年 | 作付面積 (ha) |
10a当り収量 (kg) |
収穫量 (t) |
| 明治20年 | 46万ha | 91 | 42万t |
| 明治39年 | 46万ha | 99 | 45万t |
| 昭和元年 | 39万ha | 100 | 39万t |
| 昭和21年 | 22万ha | 90 | 20万t |
| 昭和41年 | 17万ha | 118 | 20万t |
| 昭和61年 | 13万ha | 177 | 24万t |
| 平成17 | 13万ha | 168 | 22万t |
(農林水産省 過去の生産実績)
大豆の県別収穫量(平成17年)
- 北海道 52.400t
- 福岡 15.200t
- 宮城 15.100t
- 佐賀 14.200t
- 秋田 12.800t
- 栃木 10.000t
- 新潟 9.710t
- 山形 8.720t
- 茨城 8.100t
- 富山 7.880t
醤油の原料となる「大豆」の内訳
| 種類 | 国産 | 輸入 | 合計 | 構成比 |
| 丸大豆 | 0.36万t | 3.65万t | 4.00万t | 18.6% |
| 脱脂加工大豆 | – | 17.53万t | 17.53万t | 81.4% |
| 合計 | 0.36万t | 21.18万t | 21.53万t | 100 |
| 構成比 | 1.7% | 98.3% | 100 | – |
(平成17年 農林水産省、財務省、日本醤油協会資料)
大豆を食べる国は結構少ない
| 国名 | 生産量 (千t) |
消費量 (千t) |
食用用途 (千t) |
加工用途 (千t) |
| 米国 | 78.671 | 49.861 | 11 | 44.634 |
| 日本 | 291 | 5.068 | 1.008 | 3.828 |
| イギリス | 0 | 880 | 3 | 770 |
(農林水産省「大豆の豆知識」)
食用用途とは、豆腐や納豆、味噌・醤油などに加工して食することであり、加工用途はサラダ油などに加工して使用することです。他の国と比較して日本は「食用用途」として大豆を多く使用していることが分かります。日本では古来より豆腐・納豆などに代表されるように、大豆を食用として使用してきた歴史があるのに対して、海外での大豆の存在は油を採る対象として見られてきました。
国産大豆と米国産大豆との成分比較
| 国名 | エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 |
| 日本 | 417 | 12.5 | 35.3 | 19.0 |
| 米国 | 433 | 11.7 | 33.0 | 21.7 |
(文部科学省 五訂増補日本食品標準成分表)
成分を比較すると、国産大豆よりも米国産大豆の方がたんぱく質が低くて、脂肪が多く含まれていることが示されています。醤油造りでは、大豆たんぱく質が微生物の働きにより旨味成分の「アミノ酸」に変化しますので、たんぱく質の含有量の高い方が適しているといえます。