醤油の知識

搾り粕(醤油粕)

カネイワ醤油本店の醤油粕

現場は頭を悩ませている

醤油を搾る時に、醤油と醤油粕とに分けられます。日本酒であれば酒粕は甘酒や漬物などに使われますが、醤油粕は有効な利用法が少ないのが実情。家畜の飼料や畑の肥料として使われているほか、コストを負担して産業廃棄物として破棄している場合も少なくありません。

石孫本店の醤油粕

食べて美味しければいいのだけど・・・

人力や梃子の原理などをつかって搾っていた時代と比べれば、圧搾技術の進歩も加わり多くの醤油を搾れるようになりました。すると、搾り粕の方にうま味の要素は少なくなり、食物繊維と塩分がほとんどの状態になります。そのまま食べて美味しいとはなりずらいのです。

ただ、家畜の飼料へ混合することで食物繊維と塩分を補給できたり、醤油をつくる微生物が生きた状態であることから畑にまく肥料としては好評のようで、特に最近では有機栽培をしている農家の方が土が良い状態になると好んで求められる声も耳にします。

ちなみに、個人的にそのまま食べて美味しい順番は、白醤油→溜醤油→濃口醤油の順番です。あくまで個人的な感想ですが・・・

生ごみ堆肥に加えてみる

奈良県の井上本店では生ごみ堆肥に醤油粕を入れています。粕の中の乳酸菌や酵母菌が動き出して、分解が促進される上に、香りがほのかに醤油っぽくなっていました。

欲しい方は、醤油メーカーに問い合わせれば格安で譲り受けることができると思います。