醤油の知識

075|諸味の変化

今年は「暑い、暑い」と、みんなよく言っていますが
人より汗かきな自分にとっては、毎年暑くて違いがよく分かりません…。

さて、もろみは例年通り8月の上旬に主発酵酵母による発酵が落ち着き、
夏場の櫂入れが終わりました。

今年は昨年10月に仕込んだ諸味(5号)が当時まだ気温が高かったせいか、仕込み直後から諸味表面にクレーター状の穴がありました。これは何らかの微生物が活動してる証(野生酵母?)だから後々どう影響するかな~ と、心配していましたが、終わってみれば例年とほとんど変わらない感じで、順調に主発酵を終えることができました。 

<昨年11月に仕込んだ6号桶>



<7月の6号桶>

ベージュ色から、ひと夏越して大きく変化しました。
発酵が落ち着いてアルコールが3%以上になった事を確認し、
ビニールを被せて長い熟成の期間に入ります。

 

ビニールを被せるとき、すべての諸味(昨年・一昨年)のビニールを取って、
撹拌してビニールを洗浄し、翌日また被せます。
こちらは、H24年3月仕込みの4号桶。
一年目の諸味と比べると重厚で強い香り。色も濃いです!

 

ちなみに、これはちょうど一年前の4号桶。
こうやって比較すると、だいぶもろみが減っているような…。
漏れ止め修理をしなければ!

 

 

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元