醤油の知識

027|麹2日目

前日の夕方に盛り込み、夜中は室の温度を30℃に維持するため度々温度の確認へ。
(下の写真は前日、盛り込み後)


<盛り込み後の麹>


<手入れ前の麹>2日目の朝
大豆の表面が白くなっているのは麹菌の菌糸が伸長した状態です。


麹菌の代謝に伴って、麹の温度が上がるため手入れ(麹をほぐす)を行います。
また、麹内部の二酸化炭素を放出して酸素を供給する目的もあります。

前日の棒積みの状態から、手入れをして煉瓦積みに積み替えました。
盛り込み~手入れまでが麹を保温する期間とするなら、一番手入れ以降は温度の上昇を
制御していく期間です。


本来、醤油麹では2回手入れをするのですが、今回の製麹では1回しか行いませんでした。

というのも、この麹箱は底がメッシュ状になっていて、換気扇を回して外気を入れると案外スムーズに品温が下がるのです。
メッシュにしたのは熱を逃げやすくするためだったのですが、想像以上に効果がありました。
また、手入れを行なうというのは菌糸を切断することでもあるので、温度が管理できるのであれば、手入れは1回でも良いのでは? など、色々と岡本さんと話しながら2番手入れは行ないませんでした。


入口横の小窓から外気が入り、反対の換気扇or小窓から外気が出ます。

城 慶典 (ミツル醤油醸造元)

1984年生まれの醤油職人。
高校生の時に自社での醤油醸造の復活を志して東京農業大学 醸造科学科に入学。入学後、「学校に通っているだけでは自分の求めるものは得られない。」ということに気づき、伝統的製法による醤油造りを続けられている醤油蔵を探し、卒業までに7つの醤油蔵で短期間の研修を受け入れて頂く。卒業後、岡本醤油醸造場にて一年間の研修。その後、JFCS(ジャパン・フードコーディネーター・スクール)で一年間学び2009年6月より、実家であるミツル醤油へ入社。2009年11月 夢である醤油造りの復活と、地元・糸島を全国に発信したい。という思いをリンクさせ具現化する、社内別ブランド「itosima terroir」(イトシマ テロワール)をスタート。

ミツル醤油醸造元