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木桶による発酵文化サミットin阪神 2024

「木桶」の進化が止まらない!

大阪の阪神梅田本店での木桶イベント、今年で3回目の開催です。昨年からさらにバージョンアップして、木桶にまつわる生産者が100人集合、商品アイテム数は200以上、醤油や味噌の仕込みワークショップは28回開催されます。

会場には高さ約2m・直径約2mの大きな木桶が展示され、木桶の職人集団も駆けつけ、来場いただいた方と一緒に木桶づくりに欠かせない「芯」の製作を行います。完成した芯は小豆島に持ち帰り、150年間使用される予定です。

第3回 木桶による発酵文化サミットin阪神

日程:2024年5月8日(水)~13日(月)
時間:10時~20時
会場:阪神梅田本店 1F 食祭テラス

阪神うめだ本店は、2024年5月8日から13日までの6日間、日本の伝統的な発酵文化と木桶をテーマにした「木桶による発酵文化サミットin阪神」を開催します。第3回を迎える今回、イチバンの注目は、100人のつくり手が集結すること。

醤油、味噌、ソース、酢、お酒などを木桶仕込みでつくる人。そして、木桶そのものをつくる人。木桶文化を守り、木桶仕込みに情熱をかける人々が、会場を“醸して”アツく盛り上げます。つくり手とトークして、ワークショップに参加して、ますます進化する木桶のムーブメントを肌で感じてください。

ワークショップを28回開催

木桶に関連する様々なワークショップを28回開催します。昨年は22回のすべてのセッションが満席となったので、セッション数も増やしました!醤油や味噌の仕込み、木桶の製作技術を学べるクラフト作業など、多角的なアプローチで木桶の魅力を深く体験いただけます。

醤油ワークショップ
全国各地の15の醤油蔵が日替わりで担当します。参加者は醤油の仕込みを体験し、自宅で発酵熟成をさせることで出来立ての醤油を味わうことができます。(ご自宅で半年から一年程度の発酵、熟成をさせます)さらに、醤油やその他の調味料を用いたテイスティングセミナーも開催します。

味噌ワークショップ
全国から6つの味噌蔵が日替わりで担当します。米味噌や豆味噌の仕込みをし、参加者は仕込んだ味噌を持ち帰り、自宅での熟成を楽しめます。また、様々な味噌の食べ比べを行う利き味噌セミナーや、コチュジャン、味噌玉作りのセミナーなど味噌の多様な魅力を紹介します。

木桶と箍(たが)のワークショップ
木桶職人が講師を務め、箍あみやミニミニ木桶作りなど、木桶製作の技術を体験できるワークショップです。参加者は、竹の輪「箍(たが)」を使ってブレスレットやペン立てなど、実用的なアイテムを作成します。初心者やお子様でも気軽に参加できる内容となっています。

<セミナースケジュール>
▼5/08(水)
1100-1200 「足立醸造」足立裕/有機醤油作り
1300-1400 「丸久味噌」佐藤敏雄/米味噌作り
1445-1545 「木桶職人」/クラフトバンドで箍(たが)あみ
1630-1730 「森田醤油店」森田浩平/醤油作り

▼5/09(木)
1100-1200 「弓削多醤油」弓削多洋一/醤油作り
1300-1400 「太田與八郎商店」太田真/醤油作り
1445-1545 「石孫本店」石川果奈/米味噌作り
1630-1730 「木桶職人」/クラフトバンドで箍(たが)あみ
1830-1930 「金芳醬油釀造元」奥田桂三/醤油作り

▼5/10(金)
1100-1200 「正金醤油」佐藤敦/醤油作り
1300-1400 「実践料理研究家・味噌探訪家」岩木みさき/コチジャン作り
1445-1545 「木桶職人」/竹の箍(たが)あみ体験
1630-1730 「片上醤油」片上裕之/うすくち醤油作り
1830-1930 「岡本醤油醸造場」岡本康史/再仕込醤油作り

▼5/11(土)
1100-1200 「水谷醤油醸造場」水谷優太/醤油作り
1300-1400 「山川醸造」山川晃生/たまり醤油作り
1445-1545 「加藤みそ」加藤昌嗣/利き味噌
1630-1730 「木桶職人」/ミニミニ木桶づくり
1830-1930 「井上本店」井上修平&吉川遼/醤油作り

▼5/12(日)
1100-1200 「芋慶」木方庸一朗さんと愛子さんによる味噌玉作り
1300-1400 「日東醸造」蜷川洋一/しろたまり仕込み
1445-1545 「木桶職人」/クラフトバンドで箍(たが)あみ
1630-1730 「伊勢蔵」式井一博/豆味噌すり
1830-1930 「ミツル醤油醸造元」城慶典/醤油&調味料テイスティング

▼5/13(月)
1100-1200 「岡直三郎商店」岡宗晃/醤油作り
1300-1400 「中定商店」中川安憲/豆味噌作り
1445-1545 「カネイワ醤油本店」岩本庄平/醤油作り
1630-1730 「木桶職人」クラフトバンドで箍(たが)あみ

日本各地のクラフト醤油30種類

木桶の表面には蔵元特有の微生物の生態系が形成されています。これが、同じ原材料を使っても、蔵によって味わいの多様性が生まれる理由。一口に醤油といっても、全く異なる個性があり、たとえば、バニラアイスにかけて美味しい醤油や、素材を極限まで活かす卵かけご飯にぴったりな醤油など、日本各地の30種類の木桶醤油が100ml(一部200ml)のミニボトルで集合し、それらを気軽に味比べできるイベントになっています。

木桶仕込みの醤油蔵が手掛けるぽん酢が18種類

原材料や製造プロセスを大切にするつくり手だからこそ、素材を活かしたシンプルな味わいが特徴。醸造酢を使わずに柑橘果汁のみで酸味を表現したり、柚子、酢橘、橙などの果汁をブレンドしていたりと個性豊かなのも興味をそそられます。さらに、鰹節、煮干し、鯖節、昆布などの出汁醤油をつくるノウハウも加えて、やさしく使いやすい味に仕上げています。

木桶仕込みの味噌が17種類

百年近くまたはそれ以上長い期間使われている木桶の木の隙間に微生物が棲み着き、各蔵独特の風味や味わいを生み出しています。米味噌、麦味噌、豆味噌と併せて、甘さ、辛さなどの味わい毎にチャートで図式化。みそ探訪家の岩木みさきさんがおすすめの活用方法などもお伝えをします。

ベストフード猪瀬智也セレクトの木桶をつかったおいしいもの80アイテム

木桶仕込みは醤油や味噌などの調味料に限らず、まだまだほかにも!木桶仕込みを生かしたおいしいものがさらに充実。新しい出会い、初めての味わい、木桶仕込みの楽しみ方がもっともっと広がります。

<商品リスト>
梅山豚豚まん×木桶醤油「幻の豚肉」(茨城県)
三元豚焼売×木桶醤油「ベストフード」(千葉県)
木桶仕込みの調味料×スイーツ「mari」(神奈川県)
木桶仕込みの“熟成干し芋の量り売り
木桶仕込みのぬか漬け「菜香や」(茨城県)
木桶仕込みのいぶりがっこ「秋田白神」(秋田県)
モッツアレラの木桶味噌漬け「ミルクファーム杉山」(京都府)
全7蔵の味が楽しめる木桶仕込み醤油せんべい
木桶の醤油・味噌・酢で仕込んだイワシ缶
木桶仕込み有機にんにく「農園ナチュローブカフェ」(青森県)
木桶仕込みの有機麹「森田醤油店」(島根県)
木桶仕込みの酵素「大高酵素」(北海道)

各地で生まれた木桶仕込みのソースや酢の調味料、その他にも日本酒、ワイン、ビールも勢揃いします。

木桶作りに欠かせない「芯づくり」を皆さんと共に

来場者参加型で「芯」の製作を行います。完成した芯は小豆島のヤマロク醤油に持ち帰り、実際の木桶づくりに活用します。芯は木桶の周りを囲む竹の箍(たけたが)の内側に配置され、箍の美しいシルエットを保ちつつ、木桶との隙間を埋め、密着させる重要な役割を果たします。これにより、木桶が100~150年の間使い続けられるようになります。

約6メートルの竹に荒縄を巻きつけていくのは、見た目以上に大変な作業。参加者が一列になって竹をひたすらに回し続け、何十回、何百回と回し続けるうちに腕がパンパンになっていきます。黙々と作業をするのは辛いですが、自然と声をかけあっていれば、ライブ会場さながらの盛り上がりになることも。

2022年に初めて開催された木桶サミットで、来場者と共に作り上げた特別な木桶で仕込んだ「新桶初搾り醤油」が完成しました。100年以上使われる木桶の、その最初に搾り出される醤油は「新桶初搾り」と呼ばれ、その見た目は淡く、ほのかな甘みが特徴です。最初の一滴の味わいを、是非この機会にお試しください。

「木桶職人復活プロジェクト」の今

10年ほど前、木桶は絶滅の危機に瀕していました。木桶の寿命は一般的に150年程度とされ、そのため買い替え需要が少なく、木桶に携わる業者が減少の一途をたどりました。この影響で醤油業界では、木桶使用率が全体の1%以下まで落ち込む時期がありました。

木桶職人復活プロジェクトの立ち上げ

2012年に「ヤマロク醤油」五代目、山本康夫の呼びかけにより『木桶職人復活プロジェクト』がスタート。木桶に関わる食品メーカーや大工、料理人など、さまざまなジャンルの人々が名を連ね、毎年1月に小豆島で集まり新桶づくりを行うようになりました。最近では2日間で約600人が集う一大フェスとして注目され、木桶の評価は年々高まり、料理業界全般に認知されつつあります。

新たな関心と期待

今、特に若い醸造家を中心に木桶仕込みへの注目が高まっています。地域に根ざした小規模生産者がオリジナリティを追求する中で、木桶の表面に棲みつく微生物が発酵調味料の味わいを豊かにします。国内外での木桶を用いた熟成工程の評価も高まり、新たな木桶の製造と桶仕込みの製法が再び注目され、全世界での発酵ブームに火をつけています。

木桶作りの実演と体験

今回のイベント会場には高さ約2m、直径約2mの大きな木桶が展示され、木桶の職人集団が来場者と一緒に木桶作りの核となる「芯」の製作を行います。完成した芯は小豆島に持ち帰り、150年間使用される予定です。この6日間が、木桶の魅力を体感し、作り手と来場者との交流が生まれる貴重な機会となるように願っています。