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職人醤油ヒストリー(2)退職の決意

退職の決意

営業マン生活3年目の2006年。正月に実家に帰省しながら考えていました。3年くらい経てばやるべきことが天から降ってくるだろうという甘い期待が実ることはなく、具体的にコレというものは相変わらず見つかっていませんでした。でも、独立して自分の道を歩んでいきたいという思いだけはあり、もやもやした気分になっている時に、この文章に出会ったのです。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズの卒業祝賀スピーチ(2005年6月12日、スタンフォード大学)「自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です。」この文章が最後の一押しでした。

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そうだ、探せばいいのだと机に向かい、一つの仮定をしてみました。仮に自分に営業の力があるとして、営業力が足りなくて困っている業界や分野はどこだろう?思いつくままにリストアップしていきました。その中でふと目がとまったのが「伝統産業」や「地域産業」。論理的にこうだというものではなく、なんとなく目がとまったという感じで、お洒落なパスタ屋よりも老舗の蕎麦屋に行く方が好きだなと、その程度の感覚でした。

その数日後、車のラジオを聴いていました。「ゲド戦記」などの翻訳者で児童文学研究者の清水真砂子さんが「子供にどんな絵本を読ませたらよいか?」という質問に答えたのは、「長い間、読み続けられている本がいいですよ」というものでした。多くの人がよいと認めたから長く読まれるわけで、時間が証明してくれているという内容でした。その時、先日リストアップした「伝統産業」というワードがふと頭によみがえってきたのです。