仕込みに使う塩水

もし食塩水を使用しないで、麹に水を混ぜ合わせただけで放置しておくと、すぐに腐敗してしまいます。これは、塩分がない状態では腐敗菌が優先的に生えるからです。「高濃度塩分」という超過酷な環境をつくることで、自然と塩分に耐えられない微生物(非耐塩性微生物)が排除され、耐えられる微生物(耐塩性微生物)のみが生育して発酵・熟成が行われ醤油ができます。

微生物学の知識や技術が発達していなかった古い時代でも、腐敗せず安全に醤油造りが行われてきたのはこのためであり、このように醤油醸造において仕込み塩水の濃度は非常に重要なのです。

どのくらいの濃度の塩水を使うかは、諸味の塩分濃度をどれくらいにするか?汲水をどれくらいにするか?仕込む麹が3日麹か4日麹か?などの要因によって変わってきます。一般的な諸味の狙い塩分は16.5〜18%の範囲が良いとされています。16.5%以下では、本来働いてはならない微生物が活動して好ましくない代謝物を生産して、醤油の品質を劣化させる場合があったり、また、本来活躍してくれなくてはいけない醤油乳酸菌や醤油酵母の生育が高濃度食塩の場合と異なってくるので、円滑な発酵経過をたどらない場合もあります。

一方、濃度が高ければ良いかというと一概にそうでもなく、18%以上の高濃度になると、麹菌酵素の働きが阻害されてしまいます。原料中のタンパク質やデンプンの溶解利用率が低下するばかりでなく、耐塩性乳酸菌や酵母の増殖・活動も抑制されるため発酵が微弱になり、香味のバランスの良い諸味をつくるのが難しくなってしまいます。

醤油を味わう

醤油レシピ集

醤油蔵を探す

もっと醤油を知る

もどる